ここでは、ステッチ用の穴のあけ方を紹介します。
あらかじめ穴をすべて貫通させたり、ルレットなどで印だけつけておいて、縫製をしながら穴をあけていったりと手縫いの手順にはいろいろな方法がありますが、今回は菱目打ちであらかじめ穴をあけてから穴に糸を通すための手順をご紹介します。
ここで穴あけをきれいにしておくことで、実際に糸を入れたときにきれいな縫い目になります!!
それでは、準備ができたら早速始めてみましょう♪
1本菱目打 | 2本菱目打 | 3本菱目打 | 4本菱目打 | 5本菱目打 |
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細かい角に | 小さいカーブに | 大きいカーブに | 直線に | 長い直線に |
ステッチ用の穴をあけるためのガイドラインを、革の端から等間隔に引きましょう。
糸の反対側の先も同じようにしごいて糸の両端を先細にしてください。
ステッチンググルーバーを使う場合
革の吟面に溝が彫られるので、縫ったとき、溝に糸が沈み込み糸切れの防止にもなります。
その①
革の端からステッチまでの距離をきめ、その巾にあわせてネジを締めて固定します。
その②
ステッチンググルーバーを革のへりに当て、ずれないように気をつけながら手前に引きましょう。
その③
革の吟面に深い溝が掘り込まれました。
ネジ捻を使う場合
薄い革に線をつけるときにも便利です。
その①
革の端からステッチまでの距離をきめ、その巾にあわせてネジ調整しましょう。
その②
短いほうの刃を革の吟面にのせ、長いほうの刃を革のへりに当て、ずれないように気をつけながら手前に引きましょう。
その③
革の吟面に筋がつきました。
菱目打ちを使う場合
他の工具を使わないで、菱目打ちを使っても線をひけます。
その①
進行方向に対して菱目打ちの角度を変えることで、ヘリからステッチまでの巾を調節できます。
その②
刃を1本だけ革の吟面にのせ、残りの刃を革のへりに当て、ずれないように気をつけながら手前に引きましょう。
その③
革の吟面に浅い筋がつきました。
縫製のときに糸を通すための穴を革にあけていきましょう。
菱目打ちを使う場合
その①
あけ始めで、裏に段差がある場合は、最初のひと目が段差のキワから始まるように、裏から菱錐で穴をあけて印をつけておきましょう。
その②
①の印を目印に、表から菱目打ちを使って穴をあけましょう。
(段差の下に、同じくらいの厚さの革を敷いておくときれいに打てます。)
菱目打ちは垂直になるように気をつけながら、木槌などを使って軽く数回に分けて打ち込みましょう。
その③
続けて穴をあけるときは、直前に打った穴にひと目ひっかけて穴あけをすると等間隔にきれいに穴をあけることができます。
(長い直線で、本目の多い目打ちを使う場合は、2目ひっかけて打つとより均一なピッチになりますよ)
その④
カーブや穴の終点がちかづいたら、菱目打ちの先端を使って試しの印をつけて、等間隔の穴が開くように調整しましょう。
(穴の間隔がうまくあわないときは、本目の少ない目打ちに代えたり、穴をひと目ひっかけないようにしたりして調整してみてください。)
終点やカーブの寸前ではなく、早目から調整し始めるのが、きれいなピッチを作るコツです♪
(参考画像の失敗例では終点の寸前でピッチがつまってしまいました。早めに調整して、ピッチが等間隔に見えるようにしましょう。)
きれいな間隔で印がつけられたら、本打ちをして穴をあけましょう。
ステッチルレットと菱錐を使う場合
その①
ステッチルレットで革に穴をあけるための印をつけましょう。
その②
菱錐を使ってひと目ずつ突き目をして穴をあけます。
菱錐が革に対して垂直になるように注意してください。
穴の形をそろえるために、菱錐の刃の角度を一定に保ったまま順番に穴をあけていきましょう。
菱錐をロウに突き刺してから使うと抜き差しがスムーズになりますよ♪
(あらかじめすべてあけてしまわずに、ステッチルレットで印だけつけておいて、縫製をしながらひと目ずつ菱錐で穴をあけていく方法もあります♪)
きれいに穴あけができました♪
どうですか? きれいに穴がをあけられたでしょうか。
きれいな手縫いのステッチを入れためには、穴あけをきれいに等間隔にすることが大切です!!
ここで菱目打ちの使い方をしっかりマスターして、美しい縫い目に仕上げましょう♪